こんにちは、ライター&ブックコーディネーター・文の響舎です。気がつけば冬本番。そして、もうじきクリスマスです。年末は公私ともに、何かとせわしいものですね。
そんな忙しいとき、絶妙なタイミングで手を貸してもらったり、ちょっとした言葉をかけてもらったりすると、「あの人は気が利くな」なんて、思うことがありませんか?オフィスで、どんな行動に心がけると、周りに喜ばれる「気が利く」人になっていけるのでしょうか?
私がこれまで接してきた、いろいろなパターンで鑑みた「気が利く」人の行動をご紹介します。
相手の心に寄り添うありかた
かつての職場で同僚だった男性のAさん(40歳)は、女性的感覚が長けていて、いわゆる気が利く、気働きができる人でした。私が在籍していた部署は商品開発部門でしたので、クリエーターやものづくりに関わる人の素地として、男性は女性的、女性は男性的なものの見方や視点が必要な一面があります。そういう意味では、Bさんは職業柄、女性の目線で気づきができる人物であるといえます。
そのAさんは、私の隣・左側のデスクにいました。担当業務としては直接関わりが無いものの、部署内で書類をまわす際の検印で、最初に印鑑を押すのがAさん、次に私、さらに次が部門長という順番だったため、その業務における接点がありました。
私も席を外していることが多かったのですが、Aさん自体も出張が多く、忙しい人でした。しかし、最初の検印者ということもあってか、いつも責任持って進めてくれていました。
たとえば、検印納期が短い書類は、私の検印未処理BOXに入れる前に一声かけてくれる、または、数日留守している場合はメールを入れておいてくたり、デスクにメモをつけておいてくれたり。
自分の仕事も相当、忙しかったはずですが、検印のことで致命的に流れが滞ることはありませんでした。
また、仕事とは関係がありませんが、職務中、ふっと疲れたなあ……と私が感じたときには、Aさんはすっと小さなお菓子を横から出してくれました。そのタイミングが絶妙で、「気が利く」というよりも、「心配りができる」人だなと感じたものです。
ビジネス的に上司に気を使う・使わないというベクトルもあるとは思いますが、「気が利く」ということは、一面には人への優しさと言えるのではないでしょうか。
相手の立場や心に寄り添って物事を見ていくと、自分がどういう行動をしていくことが良いのか、自ずと見えてくるのかもしれません。
プロ意識の高さが「気が利く」行動を導く
かつて、10歳以上年下の女性の後輩で「気が利く」なあと思った人がいました。Bさん(26歳前後)は、新卒で入社し、彼女が最初の部署に配属されたときに部下だったことがありました。大きな部署で、管理職が多くいたため、直接的な関わりはそんなにありませんでしたが、この年代では郡を抜いて「気が利く」仕事ぶりでした。
ちなみに、彼女が出社するときには、どちらかと言えば地味なスーツにまとめ髪、めがね姿。目鼻立ちはすっきりとした和風美人といった風貌でしたが、いつ見ても同じようなスタイルでしたので、そういう主義なのかなと何となく思っていたものです。
そしてある日、私服のBさんと会社の外でバッタリ会ったときに、私は本当に驚いてしまいました。森ガール風のスカートにふわふわのロングヘアでめがね無し。完全に別人の体でしたが、仕事とプライベートをきっちり分けて、自分の見せ方もコントロールしているんだなということが見てとれました。
Bさんはその後、いくつかの部署を転々としていましたが、どこに行ってもきっちりとした仕事ぶりは健在でした。具体的に言うと、確実で間違いがないということ。当たり前のことかもしれませんが、納期遅れや書類に誤字が無い、お茶を出すタイミング、立場をわきまえた言葉の使い方、会議などの事前の連絡・内容のリマインドが適切なタイミングであったり……。
地味で当たり前のことを、きっちりとバツグンのタイミングで行うBさん。その仕事ぶりを見て、若いのに「気が利く」人だなあと感じると同時に、並々ならぬ完璧主義、そしてプロ意識の高さを感じました。
Bさんはこれから30代や40代になっていろいろと経験する中に、もう少しだけ固さがとれてきたら、もっと幅のあるビジネスパーソンになっていくことでしょう。そうは言っても、「気が利く」という要素は、人生の経験値だけではなく、意識の持ち方をコントロールすることで、20代の若さでも十分に発揮できることを私は知りました。
自分の行動や視野を、自分で限定しないこと
空気が読める、気遣いができる……。「気が利く」というスタイルは、人によっていろいろなとり方ができるのかもしれません。
女性だから気が利かないといけないということでもなく、若いと気が利かないということでもなく。男性でも女性でも、どんな年齢でも、自分のことだけを考えるのではなく、その場所や相手に対して、自分の役割に応じて貢献していきたいという気持ちがあると、自ずと視野が広がり、するべき行動が見えてくるのかもしれません。
それが、さりげないものであればあるほど、人としての魅力も大いにアップしていくのではないでしょうか。
この記事を書いた人

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1976年生まれ。
銀行員、図書館司書、一般企業にて総務・流通管理・店舗支社長・商品開発部門管理職・社員研修担当を経験。
女性にむけるキャリアアドバイスを中心に執筆活動中。
生活において、本・コーヒー・スイーツ&パン・整理整頓が必須。
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