可愛い女=不幸な女

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学生の頃。

片思いだった男性が選んだ彼女が「可愛い女性」でした。
真っ白な顔と真っ黒な髪の毛、
うっすらピンク色の薄い唇、
小柄な身体、
「一人では生きていけない」って感じの危なっかしい儚げな女性でした。

自分とは正反対の彼女に激しく嫉妬した私は
彼女よりも「可愛い女性」になってやろうと決意。

そして当時の私がとった行動が、チェーホフの短編小説「可愛い女」を読むことでした。

活字至上主義、権威絶対服従だった田舎ものの私は、ロシアの文豪の作品の中に、真実が隠されていると信じて疑いませんでした。

「この短編には秘密が隠されている。コレを読破すれば、私も可愛い女になる」そう本気で信じていたのですから、本当におバカさんでした。

可愛い女=不幸な女

チェーホフの「可愛い女」を読み終えた私は不快なショックを受けました。

この短編に登場する女性は、好きになった男性の好みに合わせて自分の価値観や考え方を自由自在に変えます。

彼女は、最初は相手にとって可愛い女の座を勝ち取るのですが、だんだん飽きられて捨てられてしまうのです。

それでも彼女はまた他の男性を好きになるとその男性の好みに合わせて自分を変えます。そしてまた捨てられます。

好きな人の価値観や考え方に合わせるのは彼女にとっては何の抵抗もなく、それが当然だと思っています。何度捨てられても。

「私にはとてもできない」

「もしできたとしても、1ヶ月もすれば嫌になって、相手の男性の前から逃げ出してしまう」

そう思ったわけです。

男性に愛される可愛い女は、実は男性に飽きられる不幸な女なんだと何となく知り、可愛い女になる決意はガタガタと崩れ去りました。

予言カフェで、新たな可愛い女を発見する

可愛い女になる野望など捨て去ってから約10年後。

私は、東京の高田馬場にある奇妙な喫茶店に友人に連れられて行きました。

そこは「預言カフェ」と呼ばれる喫茶店で、コーヒーを注文すれば店のスタッフさんが、お客の守護霊の言葉を代弁してくれるというサービスを行っていました。

コーヒー代は一杯700円くらいだったと思います。

その喫茶店は、特定の団体への勧誘や高額な品を買わせるなど一切ありませんし、個人情報を聞き出して定期的に何かを送るなどもありませんでした。

なので、リピーターも多く、50席ほどある店内は開店前から客が行列を作るほど混み合っていました。

私は友人2人と同じテーブルに座ってコーヒーをオーダー。しばらくして、スタッフさんがやってきて、それぞれ3人の守護霊が言っているという言葉を話してくれました。
3人とも全く違うことを言われ、それぞれが何だか感激するような言葉を言われたのです。

他のテーブルのお客さんの中には、泣いている人も少なからずいました。
私の友人2人も泣いていました。

私も泣きそうになりました。

その言葉がとても暖かいのです。

どの言葉も皆、「娘よ」で始まり、一人一人のプライベートをまるでこっそり陰から見守っていたような言葉で話すのです。

そして「あなたの頑張りを応援している」と付け加えてくれるのでした。

それはまるで娘を見守る父親のような存在だったかもしれません。

大きなものに守られているという感覚に包まれた不思議な時間でした。

私たちは、守護霊たちから見ればとても可愛い存在なのかもしれない。。。

守護霊に守られているような可愛い女

「そうか!」

店を出て帰る途中、激しく納得しました。
長年の大問題がようやく解けた感じに一人で感激していました。

私が学生時代に諦めた「可愛い女」の意味がちょっと解けた感じでした。
チェーホフの「可愛い女」に登場する女性は、男性の所有欲や支配欲を満たしているけれど、もっと別の「可愛い女」もいると。

それは、高田馬場の喫茶店で語られていた守護霊が持つような男性の父性を刺激する女性。

それはもっと高尚な「父性」という男性の欲を満たしているはず。

可愛い女は男性の父性を刺激する

可愛い女になるテクニックやノウハウはこの世にゴマンとあってどれも有効なのかもしれません。

しかし、女性が男性にとって可愛い女でいるのは何種類かあって、その中でも男性の父性を刺激した女性が一番幸せに近いかもしれないという私にとっては大発見をしてしまいました。

女性も母性を刺激された男性にはめちゃくちゃ弱いですからね。

学生時代、片思いの男性の心を奪った女性も彼の父性を刺激していたようです。

結局彼らは数年後別れ、彼女は一人海外で生活しています。

彼女は見た目は守らなきゃ行けないように男性たちには見えたようですが、クラスの中で一番たくましく、今では遠い異国で独立独歩の人生を歩んでいます。

お読みいただきましてありがとうございました!

この記事を書いた人

はなび
はなび
東北生まれの純和風女子。子どもの頃「猫のように生きる」と決めて本当に猫のような暮らしを手に入れる。野良猫だろうと飼い猫だろうと、彼らは私の人生のお手本です。自分勝手でわがままで自由奔放を堂々と貫き通しています。温泉をこよなく愛し、全国の湯治場に出没中。

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