アタシたちは、煽られている。広告の「中の人」こにくが紐解くメディア論【前編】

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風邪引きました。こにくです。

こんにちは!

先日、半年ぶりに散髪したこにくですが、
かなり短く切ったため、ほんまにマンガのようですが、
急にぶりかえした寒気に思いっきりやられて風邪をひきました…。

久々ひいた風邪。
声がオカマみたいになりました。

健康最高。
こういうとき、健康の素晴らしさを身にしみて感じます。

神様、愚かなこにくを許してくださいorz

さてさて。

先日こにくは、「アタシたちは刷り込まれている」と書きましたが、

何に刷り込まれてるかというと、メディアです。
ネットをはじめとするメディアでは、ありとあらゆる情報が垂れ流しですね。

その多くは、広い意味で基本的には「広告」です。

人間というのは、常に感情、情動で動く生き物。
広告というのは、その人間の情動を巧みに刺激し、
あなたにたくさんお金を使わせようとします。

そして、この「情動」、「衝動」と言い換えてもいいかもしれませんが、
老若男女問わず、根底に流れる「衝動」は、「モテたい」なんですね。

この「モテたい」という衝動、言い換えると「愛されたい」とも言えるかもしれません。

かつてこにくが読んだ著作のなかで、作家の山本文緒さんはこんなことをおっしゃってた。

「私は人間が逃れられない宿命を3つ見つけた。
1.人は人に愛されたい
2.人は表現せずにはいられない
3.人は必ず死んでしまう」

これ、こにくは忘れられずにずーっと心にある言葉なのですが、
その通りやなと思ったりもします。

「愛されたい」ゆえに、「私はここにいて、こんな人ですよ!」ということを
「表現せずにはいられない」のですね。人間は。

そんな逃れられない宿命を背負ったアタシたちを
いかにメディアが煽って金蔓にしようとしているか、
本日は「広告を作る中の人」であるこにくが
ちょっと意地悪に紐解いてみたいと思います!

女性が恋愛に苦しんだほうがいい理由

このメディアを読んでくださったり、こにくにメッセージをくださる女性たち、
それぞれ、多かれ少なかれ、恋愛に苦しんでいたりします。

そこは、人が人を想うとき、なにもかも思い通りにうまくいくことはないので、
それなりに切なかったり傷ついたり傷つけたりってことも、あるでしょう。

しかしですね、こにく、見ていて、これは失礼かもしれないけど、
ほんまに女性たちは「苦しむ必要のないことでわざわざ苦しみたくて苦しんでいる」ようにしか見えないときが、あります。

それはこにくがあくまで他人事として客観的にクールに見ているからというのもありますが、
「なんでそこにそないに執着するんや」と突っ込みたいことがたくさん。

その執着はどこから来るのかというと、
先日お話しした「根性」もひとつ要素としてあるとは思うのですが、
基本的には「無くしたくない」という「恐れ」ですね。

この無くしたくないという恐れ、なにが怖いのかというと
自分が寄りかかっていた支えがなくなるという恐れです。

これは依存

もうひとつは「恋愛していない女」=「誰からも求められない女」になるという恐れです。

この「誰からも求められない女」の恐れは、
こにくは思春期から20代にかけて、もうええっちゅうねんというくらい味わってきました。

こにくはこじらせていましたけども、
そのこじらせがひどかったのも、この「彼氏ができない」という状況により、
こにくの苦しみはさらに深まるのであります。

周りを見てもテレビを見ても雑誌を見ても、あんなにみんないとも簡単に「彼氏」を作っている。
それがなぜ自分にはこんなにも難しいのか?
何か人として欠けてるもんがあるんやろうか?
やっぱデブやから?
ブサイクやから?
センスないから?
才能もお金もないから???
ああああああああああ。

という、吐きそうになるようなネガティブループです。

しかし紆余曲折あり、30代になってから「自分に恋愛は必要ない」ということに気づいて楽になるのですけども、
それまではもうそりゃあ苦しい日々でした。

そのときのこにくがしたことといえば、その苦しみから逃れたい一心で、
いろんなものを買うという行為です。
現状を打破するきっかけを探るわけです。

ウン10万もする補正下着やら
ウン万もするコスメやら美容液やら
毎月10万近く服や靴を買いあさったり
ダイエットにまつわる商品に至っては、
それトータルでベンツのCクラスくらいなら買えるんちゃうかってくらい、つぎ込みました。

ほんとに、格好の餌食です。
まさに広告やメディアに踊らされまくった20代でした。

もっと痩せれば、きれいになれば、おしゃれになれば、
彼氏ができて人生が変わるんじゃないかと、もがきまくったわけです。

女は格好のターゲット

そう、だから、女が恋愛で苦しむと、お金を使うことに走るわけですよ。
非常に安易です。

しかしこの「苦しみから逃れたい」というのは人間の「生存本能」であり、
それはもう強烈ですので、理屈じゃないですね。
なので、結局それらすべて根本的な解決策にはならないわけですが、
そんなことを冷静に判断する能力も死んでいるわけです。

しかし、それであればほかにももっと「苦しみから逃れたい」と思わせる事象は、人生にはたくさんあるのでは?と?

そう、その通り。
人生にはもっともっと苦しいことがいっぱいありますね。
それこそ、人の人生や命や生活が脅かされるような苦しみもいっぱいあります。

しかしだからこそ、それでいうと「恋愛」は「ちょうどいい」のです。
なににちょうどいいかというと、企業が売り込みをするのにちょうどいいのです。

なにがちょうどいいのか?

・シリアスさがない(人の命、生活、人生とかは基本的にかかってない)
・特に女性は簡単にのめりこむ
・起きた問題が抽象的なことが多いので、明確な答えがないため、いろいろな切り口から解決策を提案できる(言い換えれば、いろんな局面から弱みに漬け込むことができる)
・理屈が通用しないので、感情を刺激すればOK。簡単。

そう。
「恋愛に苦しむ女性」をターゲットにしたら、マーケティングはとっても簡単で、
かつ、不謹慎さもなく、非情さもなく、売り込みのバリエーションも広げやすい。

それ以上シリアスな苦しみの場合は、企業の顧客としてではなく、
司法や行政、医療機関などの「専門家」へ依頼する必要が出てくるので
マーケティングの対象外になるわけです。

そのために、メディアは「こういう恋愛が良い」とか「こういう女がモテる」とか「こういうファッションがモテる」とか「こういう顔がモテる」とか「こういうメイクがモテる」とか、
さまざまな「カタログ」を、アタシたちの前に広げるわけです。

それは直接的なCMや雑誌のタイアップ記事に限りません。
ドラマや映画、ポップソングなんかにも色濃く「マーケティング」は反映されていて、
「ほら、こんな恋愛すてきでしょ!」
「恋愛って甘く切なく苦しいものだよね!」
「もっときれいになってあいつを振り向かせてやる!」
「あなたに会いたくてたまらないのー(泣)」
「もっともっと恋愛しましょ♥︎」
的な、なんだかもうほんとに「りぼん」の世界です。おえー。

(余談ですがこにくは小学生の頃は「りぼん」派でした。「なかよし」ではなく。しかし20年以上経つと、ふろくも様変わりしとるな…。時代を感じます。)

そうやって、女性たちにいつまでも憧れられていなければいけない、
女性たちを煽らなければいけない、それが「メディア」の立ち位置なのですなー。

アタシたちは思い込まされている

いうなれば、アタシたちは「欲しいもの」があるのではなく、
メディアに煽られて「欲しい気にさせられている」というのが、正しいわけですよ。
これは先日レビューを書かせていただいた國分功一郎先生の「暇と退屈の倫理学」にも書いてあります。

ということは、「恋愛」にもそれが通ずるわけで、
アタシたちが生きる上で、別に恋愛なんてマストな要素ではないのだけど、
なぜかそれをしたくなるような気にさせられているとこにくは思うのです。

先述のように、若い女性をターゲットにしたとき、恋愛というのは彼女らにお金を使わせるための最適なトリガーとなり得ますので、メディアは彼女らに「こんな恋愛をすべきです」「こんな恋愛素敵でしょ?」「みんな結婚しますよ!」「みんな恋愛していますよ!」と、様々な「作品」でもって、煽りに煽るわけです。

しかもなるべく、「切ない」「苦しい」やつを。
なぜならそのほうがより感情移入させやすいからです。

ハッピーでウッキウキなラブストーリーなんて、
共感してくれるのはそれこそ実際にハッピーでウッキウキな恋愛をしている女性たちくらいでしょうけども、
自分の世界に幸せな恋愛が生まれた人に、他人の、ましてや「作り物」の恋愛なんて必要ないので、ニーズがありませんね。
しかもハッピーでウッキウキな恋愛期間なんて相当短い場合が多い。

そしてなにより、ハッピーでウッキウキ=満足なので、
そんな彼女たちは、煽られないわけです。

ということでターゲット外。

それ以外の、それなりに恋愛にヤキモキしたりイライラしたり退屈したりしている女性に対して、
「切ない」「苦しい」けども「ドラマチック」な展開で、
「どうよ、これ!!!」とでも言わんばかりに大風呂敷を広げて、
「あんたもこんな恋愛しなはれや!!」と訴えてきます。

そして、そこに感情移入すればするほど、見た側の女性たちは
「いいなああああ!!」と感情を揺さぶられ、その世界が「理想像」として自身のなかに刻み込まれ、
現実からすこうしずつ離れてゆきます。

もしくは、自身の「苦しい恋愛」をドラマチックに脳内脚色して、陶酔しはる。

そして、別に仕事もあって家族も元気で友達も趣味もそれなりにあるのに、
なんだか物足りないような、恋愛がうまくいってないことが重大過失のような、このままではいけないような気にさせられて、
焦って、いろんなものに手を出し始めるわけです。

かつてのこにくのようにねぇ…(苦笑)。

しかし消費者はテレビを見なくなった

しかし、時代は変わり、消費者である若い女性たちは、ライフスタイルの変化もあって
テレビやCMや雑誌を見なくなり、
明らかな「広告」には嫌悪感や猜疑心を抱くようになり、
そしてメディアの中心にはWebが登場します。

Webは基本的には言葉が中心の世界です。

「いかに読んでもらえるか」
「いかに記憶にとどめさせるか」

Webを舞台にマーケティングしている人たちの共通のテーマです。

そこへ現れたのが、「女子力」というキーワード。

こにく、かつて売れまくった故・渡辺淳一氏の著作「鈍感力」が出たあたりから
「○○力」という言い回しが流行りはじめ、
この「女子力」も、そこに端を発するのかな?とも思うのだけど。

この「女子力」、ググると、様々な意味が様々に解釈され、
そこここでプチ炎上しています。

こにく、「うまいことやるなー」と、この「女子力」に関しては、思います。
言い得て妙やなと。
どなたが言いはじめたのでしょうか。
Wikiではそこらへんのことはわからなかったのですが、
きっと大手広告代理店の敏腕コピーライターさんあたりでしょうか。

この「女子力」のすごいとこは、
「意味はわかるようなわからないような、ふわっとしたものだけど、
ただ、女としては、低いよりも高い方がいいような気がする」と思わせる、絶妙な説得力。

この「明確に答えがない」というところ、これまさに「恋愛」を切り口にメディアが女性の弱みに付け込んで商売したのと同じなわけです。

(例1)
「メイクがきれいになれば恋愛がうまくいくんじゃない?」

「メイクがきれいになれば女子力が上がるんじゃない?」

(例2)
「ダイエットして彼をGet!」

「ダイエットして女子力up!」

(例3:複合パターン)
「恋愛がうまくいけば人生バラ色」

「女子力が上がれば恋愛がうまくいって人生バラ色」
(もやっとしたもの×もやっとしたもの=根拠は全く理解できないが、なぜか不思議なよくわからない説得力)

そして、時同じくして、特に若年層が恋愛をしなくなってきていると言われている昨今。
メディアは、女性を煽る次なる新しい切り口「女子力」を、高らかに宣言したのですなー。

何かにつけて「女子力UP」と煽れば、
「そうか、私に足りないのは女子力で、それが上がれば、人生は好転するのだな」と、女性は無意識に焦らされます。

この「女子力」のもっとすごいとこは、
それを「けっ」と否定することができないところ。

なんなんだか実態がよくわからないものなのに、女性がそれを否定することは、まるで「女を捨てている」かのように見えてしまうからです。

なんちゅー怖い言葉!!!(笑)
明確な定義を示さないくせに否定もさせない、有無を言わせぬ説得力を持つ!!!

マーケティング界のオバケキーワードとでも言えましょう。

そんなこんなで、かくも女性はこの「女子力」にふりまわされ、
マーケター、つまり企業の格好の餌食になるわけですね。

すべてのビジネスは、「困りごとを解決する」という基本がありますから、
企業は、消費者に困っていてもらわんとあかんわけです。

なので、平々凡々で、足るを知る人ばかりでは、商売上がったり。
そこで、メディアで煽って、困らせることで流通を起こすということなのですなー。

ときに「恋愛」を切り口に。
ときにそれを派生させて「女子力」を切り口に。

これが、こにく的「洗脳メディアの紐解き」です。

しかいおいおいちょっと待てよと。
ちょっと極端なんじゃないの?とお思いか?

はい、スミマセン。
しかしそのメディア、もちろん必要なものでもある。

それは次回に続くのだー!

では、また!

この記事を書いた人

こにく
こにく
遅咲きモテ系30代・広告クリエイティブ職のわりと肉食な女。独身。
お酒と仕事と下ネタと、人生を豊かにしてくれるカルチャーが大好き。
もと「こじらせ」で小デブ。関西在住。
愛と笑い溢れる世界になるように、今日も空きっ腹でビールをイッキ飲み。
一番大事なものは健康。

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