【Movie Review】「もう一人の自分」を探してるあなたへ。「ヘドウィグ」が教えてくれる、あなたがほんとに欲しいもの。

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春は実は苦手です。こにくです。

こんにちは!

これを書いている時、こにくの遊び場、大阪キタは、
春まっさかり、桜が満開でございます。

ポカポカしてきて、実に良い陽気。
ワクワクしちゃいますね!

………………。
………………………………。

ごめんなさい、嘘です。

こにく、実は春が苦手なのでした………………。
花粉症などはないのですが、ポカポカ陽気とは対照的に
心身ともに、落ち込み気味になるのは決まって春です。

そんなときはもう、お家に引きこもって映画でも見てたい!!

というわけで本日は、こにくを作ってきたものを紹介するシリーズ
From the journals of me!」でございます。

今回はふたたび映画のご紹介。
その作品は「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」
ご存知の方も多いんじゃないでしょうか。
「ヘドヘッド」、こにくは手にすることはできませんでしたが、
持ってらっしゃる方、超うらやましい!!

これがあれば、あなたもヘドウィグです。

これは、もともとアメリカオフブロードウェイのミュージカルがはじまり。

そのミュージカルの時点で、こにくの大っっ好きなデヴィッド・ボウイ先生や
マド姐さんことマドンナなど、名だたるスターがこぞってハマったという、
かなりレジェンドな作品。

そこから晴れて映画化された、2001年アメリカの作品。

ストーリー

主人公ヘドウィグは共産主義体制下の東ドイツ生まれ。

そこでアメリカ軍人ルーサーと出会って恋に落ち、彼と結婚してアメリカに渡るため、
彼は性転換手術をして自分の「ムスコ」を切除するのだけど、
なんと性転換手術が大失敗。

彼の股間には、男の残骸、怒りの「1インチ」が残ってしまう。

ルーサーにも捨てられ、ボロボロのヘドウィグ、
支えてくれたのは幼い頃からラジオで聞き続けたスターたちのロックミュージック。
傷心のまま、バンドを結成し、ベビーシッターなどのバイトで食いつないでいるときに、
17歳の地味なバンド少年トミーと出会い、音楽を共創していく中で彼らは強烈に惹かれ合う。

しかしヘドウィグの「1インチ」を知ったトミーは、無情にもヘドウィグのもとを去ってしまう。
しかも、ヘドウィグと共に作り上げた楽曲までも盗作して、大ブレイクを果たしてしまう。

なにもかも奪われ、怒りと悲しみに打ちひしがれたヘドウィグは、
それをモチベーションに、トミーを追っかけるライヴツアーに乗り出す。

それは、彼(彼女)の「カタワレ」を探す心の旅でもあったのでした。

愛の起源「カタワレ」探しの物語

もうこれも、こにく、DVDを何度見たかわからない!
もともとミュージカルだけあって、音楽がやっぱり素晴らしいってことも、
かなりこにくのツボでございます。

あ、もちろんサントラも必聴ですよ。

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ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ-オリジン・オブ・ラブ-サウンドトラック

この「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」には、
メインテーマソングにもあるように、プラトンの「饗宴」のなかにあるエピソード、
アリストパネスという喜劇詩人が語ったギリシャ神話
が大きくインスパイアされています。

ヘドウィグの劇中歌「Origin of Love」の歌詞はこんな感じ。

昔々の話…
地球がまだ平らで
雲は炎でできていて
山は空へと伸びていた
もっと高くへと

転がる樽のように地を這っていた人間達
見れば腕が二組と
脚も二組あって
大きな頭には顔も二つ付いていて
それであたりが全部見渡せて
本を読みながら話もできたけど
愛については何も知らなかった
それはまだ「愛」が生まれる前のこと
愛の起源…

歌詞全文はこちら→http://kayto-006.livejournal.com/19929.html

なんともロマンチックで哲学的。

そう、ついついアタシたちは「自分を自分たらしめる、自分を支えてくれる他人」を求めてしまったりします。

その人がいれば、自分が完璧な存在になれるんじゃないかと、
もっと新しい自分が生まれるんじゃないかと、思ってしまうこと、こにくもあります。

この「カタワレ探し」が、本作では大きなテーマ。

いつもなにか満たされないような気がしてしまう、
このままの自分ではいけないような気がしてしまう、迷える女性たちには
とっても共感できるテーマなんじゃないかと、思うのです。

なによりジョン・キャメロン・ミッチェルが素晴らしい

そしてそしてなにより素晴らしいのは、原作、脚本、監督、主演と4役もこなす
超才能豊かなジョン・キャメロン・ミッチェルご本人!!

彼自身が影響を受けてきたであろう、往年のスーパースター達への愛とリスペクトに満ちた楽曲、メイク、ファッション。

トランスセクシャルであるというヘドウィグの設定をもってしても、
あそこまで美しくそしてグロく、飾り立てられるのってすごい!!!

完璧なバランスです。
トゥーマッチ具合がもう、絶妙に完璧!!!!

唯一無二です。

ヘドウィグの日本公開直後の、超ヘドウィグフィーバーだったその当時、
こにくはたまたまCSで彼のインタビュー映像を目にします。

ゲイであることをカミングアウトしている彼は、
しかし劇中の、怒りと悲しみに身を任せる激しい気性のヘドウィグとは対極の、
とってもやわからでかわいらしい方でした。

それがすごくヘドウィグとのコントラストにもなって、印象深かってんなー。

でも、彼自身のセクシュアリティと経験からきっと紡ぎ出されたであろう「ヘドウィグ」は、
姿や形を変えても、根底に流れるものは普遍的なのだなということを、教えてくれます。

そしてヘドウィグは何を見つけたか

しかし、そんな賛辞を送りつつも、
最後のシーンは、こにく実は最初はあまり意味がわからなかったのですなー(苦笑)。

怒りと悲しみの体現者となって、トミーを追い掛け回しながら、
さらにどんどん自分を追い詰め、傷付き続けるヘドウィグ。

そんな彼(彼女)がたどり着いた末路は?

それは、ハッピーエンドでもないし、バッドエンドでもない。

そこはぜひ、ご自身の目で見て、
ご自身なりの解釈をしていただければと。

こにくは、生きててどうにもこうにも打ちひしがれてしまった時や
強い怒り(=悲しみ)に苛まれてしまった時や
自分なんかなんの価値もないんじゃないかという思いから逃れられない時に
いつもこの「ヘドウィグ」に励まされてきました。

男にも女にもなりきれず、
愛も才能もなにもかも奪われてしまう、怒れるヘドウィグの姿を見た時、
なんにも成し遂げてない、なんにも持ってない自分でも、
でもやっぱりいつだってここから始めるしかないんやろうなと、思わされたのでした。

名曲揃いの「ヘドウィグ」ですが、最後にもう1曲、こにくの大好きなやつを。
ささくれだっていたり、傷ついていたりする心を「ぎゅっ」としてくれるようなこの曲。

怒れるヘドウィグとは対照的な、この色気たっぷりのヘドウィグ!!!
そらトミーも惚れるわ〜。

この色気と包容力は、ジョン・キャメロン・ミッチェルでしか醸し出せない超独特なもの。
しかしモテたい女性のみなさんは、ぜひぜひ参考にしましょう!!!(笑)

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ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ-DVD-ジョン・キャメロン・ミッチェル

では、また!

この記事を書いた人

こにく
こにく
遅咲きモテ系30代・広告クリエイティブ職のわりと肉食な女。独身。
お酒と仕事と下ネタと、人生を豊かにしてくれるカルチャーが大好き。
もと「こじらせ」で小デブ。関西在住。
愛と笑い溢れる世界になるように、今日も空きっ腹でビールをイッキ飲み。
一番大事なものは健康。

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