こんにちは、ライター&ブックコーディネーター・文の響舎です。
秋を通り越して、もう冬の気配が感じられます。願わくば、蒸し暑さと肌寒さの中間が、もう1つほしかった。
気持ちのいい季節って、本当に短いものです。
さて、最近、私はあるプロジェクト形式の仕事でプロデューサー業をしています。いろいろなクリエーターと一時的にチームで仕事をしていますが、その仕事で知り合ったある女性から、こんな相談を受けました。
同じような悩みを感じている方は、案外多いのではないでしょうか……?
人前で話すのって、本当に苦手です。
Aさん(33歳)は広告の仕事をしている、いわゆるバリキャリ女性。メール文面を見ても電話でのやりとりにおいても、そつなくきちんと仕事ができる、大変素敵な方です。
そんな彼女の悩みは……
「人前で話すと声が震えて緊張してしまう、本当にスピーチが苦手なんです。」
たしかに、会議の進行などを見ていると、声が上ずりだんだんと緊張感が高まっている様子。私もはたで聞いていて、正直、手に汗握るような落ち着かない瞬間が何回となくありました。
私「以前からですか?」
Aさん「はい、子供の頃からです。ふだんはそんなことないのですが、スピーチなど大勢の人前に出ると、声が震えてどうにもならなくなってしまって。」
実は、私も人前で話すことは苦手でしたから、Aさんの悩む気持ちは痛いほど、よく分かりました。
場数を踏むと、ある程度は緊張しなくなるけれど……
私自身、今まで様々な会議の司会進行、時には演台の前で話すことも多くありました。そのたびに、緊張して声が震えてしまうことに対して、心の底から恐怖を感じたことすらありました。
「なんで私はこんなに緊張するんだろう?」と、本当に悩み、呼吸法や手に人を3回書くといった古典的なことまで、いろいろと試しましたが、なかなか改善されません。
そうは言っても、場数を踏んでいるうちに、だんだんと慣れてはきました。
しかし、声が震えて息が詰まるような状況になった、かつてのトラウマ経験が頭をよぎり、またああなるのでは……とスピーチの場には、いつまでたっても慣れませんでした。
「どうしたら、プレゼンなどの場で、緊張せずにすむのでしょうか?」
思い余った私は、ある日、思いきって、いつもスピーチが上手なクライアントに聞いてみました。
何を伝えたいのか、ということに集中する
そして、そのクライアントはこう答えました。
「きっと邪念があるんだな、うまくやろうとか、いいところを見せようとか。どんなスピーチも、伝えたい内容を聞いている人たちに、ちゃんと伝えたい!ということに集中して話すと、緊張しなくなりますよ。」
なるほど、なんとシンプル。……しかし、そんなことは私も分かっているつもり。
聞いた瞬間はそう思いましたが、まずはやってみようと、試してみました。
このプレゼンテーションの内容をしっかりと伝えたい、進行でこの会議をよくしたい……その心に中心に置いて、話をすると、後で聞いている人たちから、「司会が良かった」とか「スピーチが分かりやすかった」と、少しづつ言われるようになってきました。
その頃から、私は声が震えなくなりました。緊張感はありますが、緊張はしなくなったのです。それは、私にとっては、まさに奇跡でした。
自分を良く見せようという、飾る心を捨ててみる
Aさんにも、かつての私の体験を伝えました。
「たしかに、私はうまく話したいという気持ちがありました。ちょっとやってみます。」
そのように話したAさんの顔には、半信半疑と明るさとが入り混じっていました。
ビジネスの場は結果を出さなくてはなりませんので、うまく話したいという気持ちが出るのは当然のことかもしれません。しかし、自意識が先に立ちすぎると、邪念が入り、うまくいくものもいかなくなってしまいます。
スピーチは、「その内容を聞き手に伝えたい!」と、いう思いを強く持つこと。
きっと、近いうちに、彼女にも変化が訪れるのではないでしょうか。
この記事を書いた人

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1976年生まれ。
銀行員、図書館司書、一般企業にて総務・流通管理・店舗支社長・商品開発部門管理職・社員研修担当を経験。
女性にむけるキャリアアドバイスを中心に執筆活動中。
生活において、本・コーヒー・スイーツ&パン・整理整頓が必須。
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